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「母ではなく親になる」感想レビュー

これは本当に面白い本だと感じたのでいろいろな人にお勧めしたい。元々山崎ナオコーラさんの本を読んだことはなかったのだが、この本を読んで一気に読んでみたい欲が高まった。感想・レビューを残しておく。

 

母ではなく、親になる

 
「母ではなく、親になる」というタイトルの通り、「子どもの前で父と母は平等」という考えがうかがえる。母がメインで夫がサポート、ではない。二人がそれぞれ親として子供に接するのだ。
 
山崎ナオコーラさんの家庭は旦那さんのほうが収入が低い。その関係もあるかもしれないが、その中で山崎ナオコーラさんは夫との関係性、家事分担の割合などをきちんと構築していく。
 
どこを任せ、どこを自分がやるのか。甘えられるところは甘え、尊重するところを尊重する。この基準は著者が自分で考えた上で判断するものであり、それが一般的な家庭のイメージとは異なり面白い。
 
またこれは出産・子育てに関するエッセイであり、妊娠する前、産まれる前、出産のち、○ヶ月の赤ちゃん、と順番に書かれているが、それ以外の部分もすごく面白い。
 
小説家としての苦悩、同じ世代の小説家がどんどん売れていくことに対して、自分が努力が足りないと自己嫌悪に陥る。これは小説家ならではの話だが、子育てに関するエッセイに、分けられることなく書き記されている。山崎ナオコーラという一人の人間の日常なのだ。
 
赤ちゃんの成長に関しては、山崎ナオコーラさんの愛情が強く伝わってくる。愛しくて愛しくて仕方ない。その反面離乳食を中々口にしない赤ちゃんに、「ちんたら食べて、常にしかめっ面で、与え甲斐がない」とばっさり。このバランスが読んでいる人に対し、子育てのリアリティーを感じさせる。
 

子育てに悩む人だけでなく

 
この本は子育て、特に生まれたての子供を育てているお母さんにとって、共感できる部分の多い本かもしれない。ただ山崎ナオコーラさんの考え方がなにぶん変わっているので、人によってはまるで参考にならないかもしれない。山崎ナオコーラさんも参考にしてもらいたいとはあまり思っていないようで、「こういう人もいる」と捉えてほしいといったことが書かれていた。
 
これを読んでいる僕自身は男であり、また家庭も持っていないため子育てとは無縁だ。しかし非常に参考になると感じた。一人の人間の考えること。それが強いリアリティーを持って自分の前に投げ出されている。それは興味深いものだ。