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書評、読書感想。主に自己啓発・健康本など。

【読んでみた】「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本

以前から気になってはいたのですが、ようやく読むことに。実際に読んだ感想などをまとめていきます。
 

HSPについて

 
すでにご存知の方もおられるとは思いますが、簡単に。HSPとはアメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士によって提唱された概念で「敏感過ぎる気質を持った人」のことを言います。その特徴としては主に対人関係に現れるのですが、「相手の顔色を伺いすぎてしまう」、また「他者との境界線が曖昧」といった特徴を持ちます。
 

著者について

 
HSPには他にも特徴がありますが、それは本書の感想と合わせ追い追い書いていくとして、次に著者について。著者は浜松医科大学の名誉教授、慶應大学医学部の卒業生です。「ストレスがとたらす病気のメカニズム」「魂を揺さぶる禅の名言 明日からあなたは変わる!」など幾つか本も出されているようです。どの本も精神的な分野の本ですね。
 
前書きを見て見ると実際に著者もHSPの特徴を持ち、それに振り回された一人ということがわかります。その場の雰囲気から幻聴のような声や、空気の構造のようなものを色や模様で視覚的に受け取ってしまうとか。これはおそらくHSPであり、共感覚の持ち主とも言えそうです。HSPの特徴として「敏感なセンサーを持っている」と言えますが、そのセンサーの感度や種類は人それぞれ。著者の場合、それが視覚・聴覚優位のものと言えます。
 

著名人にも

 
HSPは意外に偉人や著名人にも多くいます。敏感な感覚は日常生活に支障が出てしまうことがあるという反面、その感覚を生かせば通常とは違った見方であるため、人を惹きつけるような魅力にもなりうるということでしょうか。
 
著者はアインシュタイン、ゴッホ、カフカ、日本人ではあの夏目漱石がHSPであったと言われているとあげ、現代ではお笑い芸人であり芥川賞作家でもある又吉直樹氏や、多くの話題作を世に送り出してきた村上春樹氏などがその気質を持っているのではないかと推測しています。
 

HSPの特徴

 
第一章では「いつも誰かに振り回される」というタイトルでHSPの人が主に対人関係においてどのような傾向があるのかについて書かれています。自分がHSPに当てはまるかどうか、または親しい人が該当するかどうかなどが気になる人は非常に参考になると思います。また自身がHSPの自覚のある方は、気持ちが楽になるかも知れません。
 
紹介されていたHSPの特徴には、「権威のある人、強引な人、高圧的な人を苦手とする」などいわゆる「強気な人」を苦手とことや、HSP傾向のある人自身は「優柔不断・決断力がない」と判断されがちなこと、頼みごとを断るのが苦手なこと、緊張やプレッシャーを感じやすくそれに弱いことなどがあげられています。
 
ただ一方で「直感がよく働く」「人の本質を見抜き力に優れており、苦手な人なども直感的に判別できる」「慎重でリスクヘッジがしっかりしている」などの長所を持っている傾向があります。著者はHSPの気質を理解し、どのような弱い部分があるかをしっかりと把握した上で、強みもある、HSPそれ自体は才能であるということを強調しています。
 
また自分の相性のいい人つとき会うことも大切だと述べています。HSPと比較的相性がいいという人の特徴として「懐が大きい人」「善悪の判断を決めつけず押し付けてこない人」など。基本的には上記の苦手の人の反対ということになります。
 

うつ病とHSPの違い

 
本書を読んでいて僕がとても「参考になる」と感じたのは、「うつ病とHSPの違い」について書かれている部分です。第二章に入ってすぐのページにありました。これはぜひ他の方にも読んでいただきたい内容だと感じました。
 
まず著者はうつとHSPが全くの別物であるとあげた上で、HSPがうつと勘違いされ薬を服用するのは危険だとしています。HSPは気質であり、治る治らないというものではありません。ですから薬は必要なく、むしろその気質との付き合い方を学ぶことが重要なわけですね。
 
ではその違いとは。著者は一般的なひとがうつになる状態が「元気で活発、恐れることなく前進する人が、一転、気分が沈み込み何事にも関心を示しさなくなる」。これが一般の人がうつ病になるということだと言っています。
 
一方HSPの人は元から心配性であったり、敏感であったりの傾向を持っています。活発で、周りの人のことなんか気にしないといったタイプではありません。その部分の違いが「うつとHSPの違い」というわけですね。もちろんHSPの人もうつ病にかかることはありますが、元々の気質もあるため、一般の人のように顕著な差はなく「敏感な気質がより表に出やすくなる」などの変化だそうです。
 

HSPの才能と、自衛法

 
後半の章では「HSPの長所と才能」、それから「強引な人・強気な人からどう自分を守るか」について書かれています。自身がHSPである人にとって重要な内容です。
 
長所や才能については、その敏感なセンサーによって普通の人が気付きにくい細かい差を見分けることができたり、また他人の痛みがわかる人であったりするということが挙げられています。
 

実際の対処法

 
実際にHSPの人がどのように自分の気質の弱点をカバーすれば良いかですが、「自己を知ること」「考え方を変える」「関係性の整理」などが挙げられていました。
 
まず挙げられていたのが「自分を知る」いう方法。HSP気質のある人はどうしても「他者からどう見えるか」「嫌われていないか、怒らせていないか」などを意識しがち。そうすると「自分の状態」は二の次になってしまいます。そうなってしまうと知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでしまいます。またどのような場面や刺激に対して自分が過敏に反応してしまうかも整理するなど、自分を知ることで「どういう対処法があるか」を事前に冷静に考えることができます。
 
具体的な方法としてはどういった刺激が自分を不安にさせるかをリストアップしたり、また身近な人がどういう反応を見せ、そのとき自分がどういう不安や不快な感情を持ったかなどをメモし分析していきます。本書にはその際に気をつけるポイント(陥りがちなマイナスの思考を避けること)が挙げられていますので、確認しながらすると使いやすそうです。
 
他には手のひらで胸を三回叩き自分を落ち着かせる、刺激自体を断つ(例えばノイズキャンセリングのイヤホンを常用する)などの直接的な方法も挙げられていました。
 
何をどのように考え、どんなことを行えば良いのかが明確に示されているので、確かに解決に向かって行動しやすい本だと感じました。
 
終盤は心配したことはおこらないという考え方を持つこと、完璧主義を捨てること、自分のマイナスに引っ張っていく思考に気づきそれを捨てることなど、気持ち・考え方について多く書かれています。その後の最終章では場面ごとのたいしょほうなどもかかれていました。就職・会社のプレゼン・恋愛・友達関係など。