どんぐり宣言!!

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【書評】知的戦闘力を高める 独学の技法

今知りたい、と思っている内容がズバリ入っていた本でした。読んでいるうちに「これこれ!」と思う感じ。蕎麦が食べたくて蕎麦屋、髪が切ってもらいたくて美容院。そんな感じです笑

 

若干読む本を迷走しがちになっていたのでホッとしました。読んでいるうちに「あれ、この本なんのために読んでるんだろ、、」となる虚しさったらない……

 

では、ネガティブな前置きはこのくらいにして笑、読んでみた感想を。

 

 

 

知識をどう生かす?

 

「知識をどう生かすか?」「生きた学び、生きた知識とは?」そんなことを考えさせてくれる本です。

 

著者はまず、多くの独学に関する本が「情報をインプットする」ことに関してに終始していることを指摘した上で、インプット含め4段階の独学のステップを提案します。

 

知識は役に立つか?

 

そもそも多くの知識が「すぐにアクセスできる」時代です。一部の人間しか情報のアクセス権を持っていない(例えば一部の富裕層しか文字が読めない時代など)とは状況が違います。

 

このような時代においては「そもそも知識を蓄えることに意味がなくなってしまっている」と言えます。では、「独学」を自分の人生や仕事において役立てるには?どのように、何を学んだらいいのか。

 

著者は知識をインプットした上で、その知識を「抽象化する」「他の分野と関連づける」ことなどをして「知識から洞察を得ること」が重要だと主張します。

 

また、それらを「すぐに取り出せるような状態にしておくこと」なども、現代の「一個人が情報をデータ化し、大量に整理・保存できる」という状況ならではの、「独学術」です。

 

ビジネス書は役に立たない?

 

この本を読んだ時に「ビジネス書は役に立たない」という主張についてある見方を得た気がしました。それは「著者の洞察をそのまま自分の洞察にすることはできないから」というものです。

 

「結局自分で失敗することでしか人間は学べない」という内容をある本で見かけました。つまりこれは「感情を伴った自分自身の生身の経験によって深い洞察が得られるから」とも言えると思います。知識が身になる、という状況ですね。

 

ビジネス書や自己啓発書を「ただ読むだけ」ではそれが得難い。著者の洞察に触れ「それをなぞる」「理解した気になる」というところまではいけるものの、それが自分の「腑に落ちる」「世の中に対する洞察」として機能するというところまで落とし込めるかどうか、ここに「ビジネス書・自己啓発本を生かす」ヒントが隠れている気がしました。

 

知識・教養の落とし穴

 

次に僕がこの本で「いいなぁ、、!」という風に感じ入ったのは「知識・教養の落とし穴」についてよく書かれている点です。

 

知識や教養を身につける「目的」を履き違えて入る人。(周りに見せつけたり、その権威を利用するだけで本質を捉えていなかったり)

 

「仕事ができてもあの人には教養がないよね」と、自分より優秀な人を貶めようとする人。

 

また似通った思想の本ばかり読んで独善的・偏狭な思想を持ってしまう人。

 

読書や教養を学ぶことにおいて「間違った落とし穴にはまらない」「知識によって傲慢にならない」ための戒めが多く書かれています。

 

僕自身「気をつけなくては、、」と思わされる点がいくつもあり、また日を空けて読み返したいと思う内容がたくさんありました。

 

教養を武器に

 

後半では知識をストックする方法や、具体的に教養がどのように「武器になるか」について書かれています。一見、仕事・独学とはまるで関係ない詩・音楽・文学、、、「学んで何になる!」と言われがちな分野がいかにして「血となり肉となる」のかその点について解き明かされています。

 

全体を通して見て「著者の知性」がうかがえる本です。著者が一例として、著者自身の「知識を抽象化し、立てた仮説」なども出てくるのですが、そのちょっとした例にさえ、「この人、頭いいな、、」(発想が鋭い、というニュアンス)と思わされる内容でした。

 

全体的に「教養の薄い人でも、深いところまで読み込める」ような内容にはなっているのですが、やはり「教養があったらもっと楽しめるんだろうなぁ、、」という本でもありました。

 

しかし、「知識・教養を身になるものにする」ということについては、当たり前のようでなかなか考えない視点。

 

「こんなこと学んで何になるんですかぁ〜」という問いは「その知識が無駄である」ことではなく「当人にその知識を活かせる力がない」ことの示唆なんだなぁ、と。

 

感想は以上です。個人的には今年の下半期読んだ本の中でも5の指には入るくらい、また読み返したい本でした。