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【書評】「マンガでよくわかる 自分を操る超集中力」(メンタリストDaiGoさんの新刊)

実際に読んでみたので感想を。

 

 

「マンガでよくわかる自分を操る超集中力」著者

 

メディア露出なども多く、「メンタリスト」の肩書でおなじみのDaiGoさんの本です。今回は以前出版された「超集中力」が「漫画で学べる」シリーズとしてリメイクされたもの。僕は前作には目を通していない状態でこちらを読みました。

 

漫画の設定が現代風

 

初めに思ったのは「漫画の設定がかなり現代風だな」ということ。主人公は漫画家を目指すOLの女性。この設定がかなり個人的には「現代的」と思いました。

 

最近は多くのビジネス書が「マンガでわかる」シリーズとして出版されていますが、それぞれを見ていると結構体裁が違っていて楽しめます。

 

漫画家を目指すOL女性」という設定も、一昔前では考えられなかった設定のように思います。二次創作、同人誌などの文化が発達し、それに伴い「働きながら、いつかは漫画家に」という人が増えたために、こういった設定になっているのかな、と。

 

女性向けのビジネス書というのも最近は多く見かけます。一口にビジネス書といっても、こういった「誰をターゲットにしたものか」「どういったニーズがあるのか」などが想像でき、面白いですね。

 

(DaiGoさんの本は女性向けのものが多い印象です。)

 

マンガ部分のストーリー

ここでこの本の「マンガ」の部分のストーリーをザクっと。

 

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漫画家志望・OLの主人公。出版社に何度も持ち込みにいくも、編集者の反応はあまりよろしくない。

 

ある時、出版社で憧れの有名女性漫画家と偶然出会い、その漫画家から一冊の本を渡される。

 

その本が、本書「超集中力」。著者のDaiGoの知恵を生かし、仕事と漫画の原稿を両立させ、主人公は漫画の新人賞受賞賞、プロの漫画家になることを目指す。

 

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「超集中力」の内容について

 

では「超集中力」自体の内容について。個人的には参考になる部分もあり、いくつか引っかかる点もあり、という感じでした。

 

先に引っかかった点、かなり細かい話にはなるのですが挙げておきます。

 

一つは「睡眠のゴールデンタイム」について。この本では22時から夜中の2時の間が睡眠のゴールデンタイム、この時間の睡眠は成長ホルモンの分泌が活発なため……という話がされています。

 

ただし、これは最近の睡眠関連の本では否定意見が多く挙がっています。

(有力な実験結果によって「睡眠のゴールデンタイムは22時~2時説」に疑問が持たれているようです。)

 

ぜひ2017年ごろに出版されているものを一冊手に取ってもらいたいのですが「睡眠のゴールデンタイムは間違い!」という内容が何冊にも出ています。

 

またしばらくすると「やっぱり睡眠のゴールデンタイムは22時から……」という話になる可能性も否定できない、とは思いますが、今のところはこの説は否定されています。

 

脳の仕組み・睡眠の仕組み、もっというと「人体の仕組み」はまだまだ不確定な部分も多く、これからも数年ごとに「より有力な実験結果」というものが出るたびに、こういった一般の人が読む本で「あの説は間違いだった!」「本当に正しいのはこれ!」という話になるだろうなぁと。

 

これは別に著者のDaiGoさんやこの本の内容を責めているわけではないのですが、リメイク版となると古くなってくる情報(今の段階だと否定されている情報)なども出てくるなぁと思いました。

 

結局、書いてあることを試していく中で「自分にとってはこれだ」(思い込みも大事ですね。)というのを見つけていく必要があるのかな、と。科学者でもない限り、「絶対的にこっちが正しい!」と言い切るのは困難ですし、究極的には自分にとって役に立てばそれでいいとも言えますからね。

 

もう一つ気になったのは「集中力を駆使することで『1日に20冊本を読む』『(生産性の面で)1年が13ヶ月になる』」という話。

 

個人的には「ここまで強い引きはちょっと……」と感じる気持ちがありました。

 

「売れるから、その方がインパクトがあるから」というのはわかるのですが、「他の本よりも売れるため、注目を集めるため」と競った結果が「ビジネス書ってなんか胡散臭い」につながっているのかな、と。

 

もちろんこれまた、「インパクトのある方が売れる」という実際的な面があるとしたら、どうしようもないことではあるのですが。

(最近はビジネス書の売り上げランキングなどを見ていると「そんな無茶な」というタイトルやキャッチコピーのものが当たり前になってきましたよね。)

 

内容に共感できる部分が多くとも、そういった「盛った」言い方をしている部分を見ると「少し残念だなぁ」と感じます。

 

もちろん、「そもそも一日に20冊の本をDaigoさんは読める」としても、それを毎日、しかも拾い読みのようなやり方ではなく一ページ目から最後のページまで一通り読んでいるのかなと思うと、やっぱり普通の人の感覚では「なんか胡散臭い……」となるのでは?と思ってしまいました。

 

ここまでが気になった点。といっても、すごく細かい点なので、「だからこの本はダメ!嘘ばっかり!」というわけではないです笑

 

もしろ「いいなぁ」と思う部分がいくつかあったからこそ、「ものすごく個人的に、こいうところ気になるかも」と思った、という程度ですね。

 

では本書の「いいなぁ」と感じた点について。

 

「集中力」を節約する

 

DaiGoさんの本では「ウィルパワー」という単語としてよく登場します。

 

「使うと意志の力は疲労する・弱まる」という話。これはラディッシュを使った心理学の実験が元で提唱されている話で、この手のビジネス書を読むといたるところで目にする話です笑

 

その説から、この本ではとにかく行動を「パターン化」することで日常生活においてあまり「考える」「悩む」「意思決定する」労力を減らします。

 

そういった工夫が「意志の力」を節約し、ここぞという時に頑張れたり、自分を律することができるようになる。そういった内容について、「超集中力」では詳しく書かれています。

 

「意志の力」(ウィルパワー)の話についても、また有力な実験によって覆される可能性はありますが、今のところは有力な説のようです。

 

また「意志」というと少しイメージが変わりますが、最近では「自律神経への負担を減らすことで、より作業に集中できるようになる」という視点の本も多く出ています。

 

「自律神経」というと少し小難しげな感じがしますが、これは非常に簡単な例えで理解できます。

 

例えば、夏やすみの宿題をやる時に「暑くて集中できない!」と思ったことはありませんか??

 

その経験がなくとも、体感的に「暑すぎる部屋・寒すぎる部屋での勉強や仕事」は効率が落ちると感じませんか?

 

こういった「体にとって負担のかかること」、より正確にいうと「体の状態を維持するために労力が割かれる」ということは作業効率を悪くします。つまり「自律神経(体の状態を維持する)に負担をかける=作業効率が下がる」というわけです。

 

「超集中力」にも、「自律神経」という言葉はそこまで押し出されてはいないもののそういった面が多く見られます。

 

つまり「集中力を下がる・作業効率。落とす」行為・環境というものがあるということ。それを日常的に避けることで、集中力を維持しやすくなる、目的の作業に没頭しやすくなるということ、その結果として「仕事の効率が上がる」「生産性を今までよりも高めることができる」ということですね。

 

(集中力の妨げに関しては「視線に集中を妨げるものがある」.「長時間の座りっぱなし」、「メインの作業をしている際に他の作業が気になってしまうこと」、など細々としたものが多く紹介されています。)

 

そういったことを「いかに避けるか」、「集中を散らす『要因になりうる』ものを排除する」にはどうすれば良いか。この本を読むと、生活で「そういった視点」を持てるようになります。持てる、というか「自然に意識する(気になる)ようになる」という感じでしょうか。

 

ここが、この本を読んで「おっ、いいなぁ」と思った点です。

 

「読むたびにちょっと気になりだす」という点からすると「漫画部分があり、読み返しやすい」という利点も生きています。ストーリー仕立てになっていると、「記憶に残りやすい」というのもいいですね。

 

全体を通しての感想

 

「超集中力」というタイトルですが、読んだ感じからすると「何かやらなければならないこと、済ませたいことに集中できないのは『それを妨げる何かがあるから』」と気づかせてくれる本でした。

 

集中力そのものをあげる、というよりは「妨げるものを減らす」というイメージ。

 

結果として「より課題に集中できる」という点は変わらないのですが、視点の違いとしては大きいかなぁと。(集中力自体を高める(鍛える)という方法もいくつか紹介されています。)

 

日常で「あっこうしたほうがいいのかな」と気づける点も、視点によって変わってくるので。

 

そんなことを考えた本でした。