TOEIC&プログラミング独学と書評

TOEICとプログラミング言語を独学しています。実際に読んだおすすめの本の書評なども。

【書評】時間がない人のための即効読書術【読書の散歩みたいな本】

実際に読んでみたので感想と書評を。

 

 

 

ちょっと変わった「読書術」

表紙やタイトルからは「読書術というノウハウ」に書かれた本であるように見えます。もちろん、実際にノウハウが書かれてはいるのですが、他の読書術の本に比べると「ちょっと変わった本だなぁ」と感じました。

 

まずこの本がどういった構成になっているのかを章立てから見てみます。

 

序章  「読書生産性」の向上を目指せ

第一章 移動の読書術

第二章 本の選択眼を鍛える方法

第三章 道具が読書生産性を上げる

第四章 斜め読みと書き込みの技術

 (「時間がない人のための即効読書術」目次より引用)

 

ではまず序文の内容を見ていきます。

 

「即効読書術」の序文

序文はこの本の意図が明確になっており、この部分ではまだ「ちょっと変わってるなぁ」とは思いませんでした。

 

序文で紹介されている「読書生産性」とはこの本によって定義されている、半ば著者の造語のようなもの(あるいはどこからか引用したものかもしれません)、序文ではこのような計算式が挙げられています。

読書生産性=知的産出量/読書時間・読書量

(引用:「時間がない人のための即効読書術」序文より)

 

つまり「一定の読書時間でどのくらいの量の生産(アウトプット)ができるか」という指標であり、本書ではこの読書生産性を上げるための方法が語られます。

 

また序文にはこの本が「仕事に役立つ読書の生産性を高める」ものであり「小説」などは対象外。一方で仕事に関するものであれば「ビジネス書」以外も取り扱う、としています。

 

「趣味の読書をもっと楽しめるようになりたいなぁ~」とか

 

「小説が速く読めるようになりたいなぁ~」とかだと、この本に書かれている読書術では目的が少しずれてきますのでご注意を。

 

さて。

 

序文はこのような感じ、以降1章、2章と「読書生産性」を挙げる具体的な方法が紹介される。。。わけなのですが。

 

雑談が多い

最初に申し上げた「この本ちょっと変わってる、、!」という違和感。

 

これは一章の内容を読んでいくうちに、そしてそれ以降を読む中でも節々に感じるものでした。

 

端的に言うと「雑談が多い」ということ。

 

これは別に「関係ねぇ話ばっかしやがって!!」というクレームではありません(笑)

 

ただこの本を読んで「最近のビジネス書って本当に必要な『ノウハウの部分だけ』を取り出しているんだな」ということがよく分かりました。

 

これを「観光」で例えてみます。

 

通常のビジネス書は「目次」と「最初のコンセプト」通り、サクサク話が進んでいきます。

 

清水寺の次は八坂神社、その次は南禅寺、その次は銀閣寺。。。

 

と、これは行く場所と時間が決められた「ツアー旅行」。「名所をバシバシ進んでいく」ようなイメージです。

 

必要な部分をどんどん抑えることができるので効率が良く、あっさりしています。

 

目次を読めば大体その内容が分かる(むしろ本文を読まなくてもいいくらい)というビジネス書も少なくないですね。

 

これに対しこの本の内容は

 

「あっ見てください。こっちに面白そうなお土産屋がありますよ!」

「へ~この仏像はこんな人が作ったんですね~(全く有名ではない仏像の造り主)。

 面白いなぁ~」

「こっちの小道、どこに続いてるんですかね??行ってみましょう!」

 

という感じ。完全に「散歩」です。

 

本文中には、実際の書名や駅名、喫茶店の名前など「固有名詞」が非常に多く出てきます。「著者が興味の赴くまま」にとても「限定された」内容の話が挙げられています。

 

個人的にはこれを「非常に面白いなぁ」と感じました。

 

雑談の中にはもちろん話の大筋には関わるものの、「直接的なノウハウ」ではないトリビア的な情報が、「歴史」「経済」などジャンルも広く盛り込まれていました。

 

「読書術を発見してみる」

この本の表紙をめくるとそこにはこのような言葉が書かれています。

 

効率よく情報を得るための、実践的テクニックを紹介!

(引用元:「時間がない人のための即効読書術」表紙袖、赤字部分もまま)

 

タイトルも「即効読書術」。しかし内容はどちらかというと「教養的」な側面が少なくないと感じました。

 

「読書術」にまつわる知識的な事柄。著者がどのような過程を経て「この有料自習室が読書に向いているな」「カフェよりもこの喫茶店の方が長時間の読書に向いているな」ということを発見してきたかなど。

 

後半の道具部分も著者が実際に使っていくなかで「こういうのが便利だな」というのを実際に感じて選んできたということがよく分かります。

 

この本で実際に「ノウハウ的な部分はどこか?」というと「斜め読みの技術」がそれにあたるかと思います。

 

それ以外の部分は著者がこれまで読書術に関する本を読んできた中で見つけた「先人たちの読書術」や、実際の生活の中で感じた「こうした方が便利だよ」というちょっとしたコツなど。

 

著者が何を考え、どのようなことに「おお!これはいい」という感動を見出してきたのかがよく分かり、自分も普段から読書を好む身として「日常から自分にあった読書術(というほど大げさでなくとも、よりストレスなく読めるコツ)を発見していくのは面白そうだな」と感じました。

 

「ここさえ押さえておけば」というタイプの本ではなく「『読書術』という散歩」を楽しむかのような一冊でした。

 

興味のある方はぜひ。