【書評】記憶に残る速読【単純な速く読むよりも、どう読むか、どう受け入れるか。】

 実際に読んでみたので感想を。

 

 

 

読み方を問う本

タイトルは「記憶に残る速読」。また副題として「あなたの能力はまだ眠っている」と書かれています。

 

一見して「本で読んだ内容を効率的に記憶する方法が書かれた本かな?」と思いましたが実際に読んでみるとそうではありませんでした。

 

この本は「あなたはどのように本を読みますか?」ということを読者に問う本です。

 

人の話を聞いていない。

 

この本の著者は読書を「著者との対話」のように位置付けています。

 

そして「速読」という「スピードが強調される」ことに対して、「まずはあなたがきちんと著者の話を聞いているかどうかを確認しましょう」と提案します。

 

著者の考えの一部を汲み取って「分かっている」気になっていたり、あるいは「そんな考えはもってのほかだ!」とまるで著者の意見を聞き入れようとしなかったり。

 

もちろん、読書は「読む人」が主体の活動です。しかしそのような「本の内容を置き去りにした」ような読書は、読者のためにもならないと著者は言います。

 

まず本を丁寧に読み、内容を感じる

 

著者が勧めているのは「やみくもにスピードを上げる」速読法ではありません。まず文章を「まっすぐ読む」ことを心がけること。

 

丁寧に読み、分からなければきちんと読み直す。

 

そうして内容を受け入れることで「自分の身になる」読書を目指します。

 

「ただ文字を速く追う」のではなく「内容を受けいれ、共感し、感じる。」そうすることで理解と記憶の定着度を上げます。

 

そうして「読書を楽しめる」という状態に自分を持って行ったのち、少しずつスピードを上げる訓練も取り入れていきます。

 

「耳」からスピードをあげる

著者が提案していた速読トレーニング法は「耳から」の方法。つまり「速聴」ですね。

 

特徴的だったのは、「自分で音読した文章を繰り返し早く聞く」ということ。そうすることで自分の頭の中に「速く文章を処理する」感覚をしみつけさせていきます。

 

しかしもちろん、最初に重要なのは「本を正しく読む」こと。「著者とのコミュニ―ケーションを大事にすること」です。

 

アウトプット

そして最後は「アウトプット」。読んだ本を読みっぱなしにしない、書かれたことは素直にすべて実行すること。これは実用書・ビジネス書に関しての話ですが、最近は「速読」というタイトルよりも「読書術」というタイトルの本の方がより見られるようになりました。

 

このことも「本を速く読む」ということから「本を深く理解する・本に書かれたことを物にする」という方へ読者のニーズが移ってきていることがよく分かります。

 

理想は「速く理解し、記憶し、実行に移すこと」。しかしそれを目指そうとして「ただ文字を速く追っている状態」になってしまっては本末転倒。

 

著者の考えにははっとさせられる部分が多くありました。