TOEIC&プログラミング独学と書評

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【書評】1年でトップ営業に駆け上がる54のリスト

実際に読んでみたので感想を。

 

 

どんな人でもできる 1年でトップ営業に駆け上がる54のリスト

福山敦士 大和書房 2018-02-18
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by ヨメレバ

 

「凡事徹底」と「意味づけを変える」

 

この本で学んだことをもし二言でまとめるなら「凡事徹底」と「意味づけを変える」だ。

 

この2つについてまずどういうことかを説明していきたい。

 

凡事徹底

 

日本人であれば馴染みのある言葉であり、割と好む人も多いのではないだろうか。

 

凡事徹底

 

当たり前のことを、当たり前以上のレベルで徹底すること。

 

この本では一年でトップ営業に成り上がった著者がどのようなことに気づき、どのような視点を持ってその階段を駆け上がったのかが明かされている。

 

そしてタイトルの「54のリスト」という文言の通り、それらが実際にやること・教訓としてリストのようにまとめられている。

 

が、一つ一つを見ていくと「何か裏技的なことがあるわけではない」と感じさせるものだった。

 

しかし実際にここに書かれていることを日々意識して実践している人がどれだけいるのだろうか、ということを考えると「当たり前のことを積み上げるだけで充分に頭一つ抜けた存在になれる」ということが改めて分かる一冊だった。

 

では、なぜこの当たり前をこなすことができない人が多いのだろうか?

 

人間はロボットではない。

 

AI関連の技術進歩により単純労働が、人間の手から離れていくことが注目されている昨今であるが、人間とAIの大きな違いは何だろうか。

 

残念ながら私はAI技術に関しての専門家ではなく、これはあくまで表面的な例え話なのだが、大きな違いの一つは「感情があるかないか」ということが挙げられると思う。

 

人間は様々な合理的システムを持っているが、感情もその一つ。

 

そしてもし感情が無かったとしたら、実は人間は「判断することができなくなってしまう」ということを指摘した話もある。

 

というのもある研究者が事故で脳の「感情を生み出す部分」にダメージを受けてしまった。するとその研究者はどうなったか?なんと物事を判断し、どちらが好ましいか選択することができなくなってしまったのだ。

 

このことから人間は自身の行動選択を「感情」によって決定づけているということがよくわかる。

 

もっと単純にいうならば「人間は快を求め、不快を避ける」ということだ。

 

ではこのことと「凡事徹底」がどう関係があるのか?

 

「凡事を徹底」したくない、感情的な理由

 

「凡事徹底」が重要だということが営業職にも当てはまる

 

ということがこの本から学べることの一つである、ということを先ほど書いた。

 

しかし皆が皆、「凡事を徹底」しているとしたらそこに差は埋まれない。

 

多くの人が「当たり前のことでさえ、徹底的にやり通すことができない」ために、凡事を徹底する一部の人々に水をあけられてしまう。

 

そこにあるのは何か?

 

私はこれが「感情」であると、この本を読んで考えた。

 

もし営業マンが皆、ロボットであるとする。そして彼らに「凡事」をプログラミングし、その回数を「徹底的に」行うよう指示したらどうなるか。

 

間違いなく皆「凡事徹底」を成し遂げることができる。

 

時間に遅れない、ハキハキとした口調で喋る、振り返りの時間を設ける、売り込みではなくクライアントの話を聞き解決策を提示するなど。

 

そして重要な「とにかくクライアントに足を運ぶこと」。絶対的な営業回数・アポイントメント数の確保。つまり「行動量を維持すること」だ。

 

なぜロボット(人工知能)にできて人間にできないか。

 

感情が判断に関わっているからである。

 

忙しい、時間がない、そんなことをしても効果がない。

 

頭の中ではそのような判断がなされているし、そう理由をつけたら「やらない」という判断も合理的なものに思える。

 

しかし心の底では、誰よりも自分が一番よくわかっているのだ。

 

「やりたくないからやっていない」のだと。

 

なぜやりたくないのか

 

営業職はストレスを抱えやすい職種であり、他部署に比べて人員の入れ替わりが激しいというのが一般的だ。

 

それはなぜだろうか。

 

本書を読むと「営業という仕事がネガテイブな認識を持ちやすく・持たれやすい」ということがその理由として挙げられることが分かる。

 

営業マン。

 

彼らは相手の都合を考えず、とにかく「押し売り」を繰り返す人々。

 

とにかくノルマをこなさなければならないため、売り込んで売り込んで売り込みまくる。

 

営業はビジネスの基本であり、その存在が全く無価値であると考えている人はあまりいないだろうが、しかし売り込まれる方としては「迷惑」。

 

営業マン自身も断られるたびに自身を「迷惑な存在」と感じるようになる。

 

だから飛び込みが怖い。だからアポイントメントがとれない。

 

営業の「凡事」が徹底されない理由は、営業マンの、「営業に対するネガティブな感情」が大きな障害となっているのである。

 

ではどうすれば良いか。

 

「感情」を変えるしかない。

 

そのための方法が、本書から学んだ二つ目、「意味づけを変える」である。

 

営業マンは本当に「悪者」なのか

 

営業マンにネガティブなイメージを持つ人は少なくない。むしろ多数派だと言える。それは営業職に就いている人間も例外ではない。

 

しかし彼らは売らなければならない。ではどうすればよいか?

 

まずは「営業について肯定的になる」ということだ。

 

本書では

 

営業マンというものが人から感謝されうる存在であり、

 

一営業マンであった、著者自身がまるで自分を「ヒーロー」であるように感じた、

 

とする場面がある。

 

そしてその考えに至るまでにやったことを見てみると、一つ一つはやはり「凡事」と呼べるものであると感じた。

 

(これは決して”簡単なこと”という意味ではない。手間のかかることであったり、意識を高く持っていなければならないが、しかしそれをやると周りから喜ばれる存在になる、そういった意味合いの『凡事』である)

 

まずは考えを変える必要がある。そのためには何らかのインパクトが必要。

 

できれば実際に営業をする中で「ありがとう」と感謝されるような経験が望ましい。

 

しかし、

 

  1. 「営業マンとしての自己肯定感が高い」には→「営業マンとして感謝される経験」が必要
  2. 「営業マンとして感謝される経験」には→自己肯定感が高い営業マンによる凡事徹底が必要

 

というこの状況はまさに「鶏が先か卵が先か」というジレンマそのものである。

 

では営業マンとして成功するために必要な「成功体験」をまず手に入れるにはどうすれば良いか?

 

これに対し、僕は「疑似体験」が有効であると感じた。

 

疑似体験

疑似体験の一つの方法は、やはり「読書」。

 

営業マンとして悩みながらも最終的に「営業は迷惑行為ではない。むしろ、多くの人を喜ばせることのできる可能性を秘めた職業だ」と感じた人が書いた本を読むと、それを疑似体験できる。

 

「成功する前に成功体験を味わえる」というわけだ。

 

営業に関する本は、それだけ伸び悩んでいる人が多いため、またビジネスの本質的な部分であるため、多くの本が出版されている。

 

また、もちろんこの本を読むことでもその効果は十分に感じられると思う。

 

この本は確かに「具体的にやるべきこと」をリスト化したものであるが、個人的には「営業という職の意味付けを変える」という面で非常に有効に働く一冊であると感じた。

 

そして「感情」が変わってしまえば、それらは「やらない理由」を作りあげていたおおもとを崩すのに十分な要因になりうる。

 

読書の他には「営業成績の高い成績の真似をする・その人になったようになりきれるくらいに観察する」というものがある。こちらも結果を出した多くの営業マンの本で語られることであり、多くの人に通用する「凡事」であると思う。

 

読書でもだれかの真似でもとにかくまず「営業が人に役立つ仕事なんだ」という視点を獲得することが重要。この視点が自分の腑に落ちてさえいればあとは「凡事を徹底する」だけだ。

 

全体を通しての感想

この本は営業職につかれている人の多くに向けられたものだ。そしてまだ営業を始めたばかりの「新人」である人にとっては、まだ自分の中の「惰性」や「常識」なども確立されておらず、野心も少なからずあることだろうからこの一冊は最適であるといえそうだ。

 

1つの本のたった1行の言葉が、たった一つの考え方が、その人の辛い時の支えになる、ということはさして珍しいことではない。

 

「営業」という職業は「必要な仕事」であり、しかし「ストレスの多い仕事」でもある。自分で自分の職を「悪事」だと感じてしまうことほどつらいことはない。

 

これから営業職に挑戦される方には、この一冊でぜひとも「営業に対するポジティブな視点」を獲得して頂きたい。