読み進めるごとに「これが知りたかった!」と感じる内容があり、実りの多い一冊でした。
ではこの本の特徴についてまとめていきます。
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一瞬で自己肯定を上げる瞑想法 綿本 彰 KADOKAWA 2018-02-02 売り上げランキング : 1243
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本書で紹介されている瞑想について
まず本書で紹介されている瞑想ですが、「宗教的なものではない」とされています。
つまり、本書での瞑想は「マインドフルネス」とも言い換えられます。
「仏教の瞑想を元にしているけど、宗教的な意味合いはないよ」というのがマインドフルネスですからね。
ですので「マインドフルネスは興味あるけど、仏教徒になりたいわけじゃないんだよな~~~」と考えている人にも役立つ一冊と言えます。
では以下、この本の特徴や内容をまとめていきます。
瞑想の哲学が分かる
「哲学」と表現しましたが、これは「根本思想」とも言えます。
「瞑想の基本的な態度」と言いましょうか。
瞑想の基本的な態度は、
「今、目の前にあるものを、ありのまま受け入れる」
ということ。
これだけでは「分かったような、分からないような……」ですよね笑
例えば瞑想に関して、「怒りを鎮める」を連想したとします。
しかしここには「作為」が入っていることが分かりますか??
- 「怒り」という状態を「悪いこと」だと判定している。
- 「怒り」という状態を変化させようとしている。
この二つです。これはつまり「ありのまま」ではないですよね。
では「瞑想的な態度」を取るとしたら?
「怒りを眺める」
こちらの表現がしっくりきます。
怒りが出てきたら
「おやおや怒っているぞ」と。
そしてそのまま受け入れる。
自分は怒っていることを否定しない。
「怒っていいんだよ」と自分にOKを出す。
怒りが出てきたことを認め、そのことを「肯定」する。
すると不思議なことに怒りが静まってきます。
これは怒りだけでなく他の感情にもあてはまります。
感情はサイン。
「負の感情」を肯定する、という発想。
日常だとあまりやらないことですよね(笑)
基本的には
- 怒っちゃだめだ
- 泣いちゃだめだ
というように、感情を外に出すことははばかられます。
例外は「序列の強い方から弱い方」でしょうか。
会社の上司から部下へ。
親から子へ。
夫が妻に。
最近では、「パワハラ」や「毒親」などの言葉でそれらを止めようとする流れもあります。
しかしまだまだ「仕事は怒られてなんぼ」というのがまかり通る世界ですよね。
個人的には「上から下へ」は「指導」を与えるものであり、「感情をぶつけていい」ということにはならないと思うのですが。。。
もちろん、「指導する側」の大変さもあるとは思います。
- 子どもが言うことを聞いてくれない。
- 部下が半人前の癖に生意気だ。
など。
しかし「瞑想的な態度」は「個人」でも「対人」でも応用が効きます。
ようするに「認める&受け入れることが解決策になりうる」
感情はサインです。
「気づいて!」という心や体からのサイン。
そしてそれらは「一概に悪いもの」ではありません。
一般的に「良くない」とされている感情でも、一つ一つが「感情の持ち主のためにあるもの」だということが分かります。
- 怒りは何かに立ち向かうためのエネルギーに。
- 不安は「危険を察知し回避する」ためのレーダーに。
つまり感情は「現状の何らかを打破する」ための原動力になりうる、ということです。
このあたりの「それぞれの感情に大切な役割がある」ということに関しても、本書に詳しく書かれています。
気になることはそちらを参考に。
自己肯定から他者肯定へ
自分の感情を「認め」「受け入れる」ことができるようになったら、今度はそれを「他人」に広げます。
自分が嫌だな~~~、嫌いだな~~~という人。職場や知り合いに一人はいますよね?(笑)
その人を「認め」「受け入れる」。
順番は「まずは自分の感情」、それから「相手の人」です。
自分が「あの人嫌だな~~~~」「ムカつくッ!!」という気持ちを「認める。」
苦手意識を感じているな。思い出すだけで、ムカムカするな。
それから、「肯定」。つまり「OKをだす」ということ。
それらの感情に「そう感じてもいい」と許可を出す。
それらは「感情の持ち主にとって大事なものだから」。
「嫌だ」と思うことや「ムカつく」と思うことで、相手との闘い(笑)を乗り切ろうとした。
あっぱれなことです。
しかしいつまでも争ってはいられない。
例えば大昔、狩りの途中で「うぉーーーー!」と興奮することは重要です。
なぜなら興奮することで「体の調子が上がる」から。
実際にアドレナリンが出ると、痛みを感じにくくなったりもします。
こうしないと「もしかしたら自分が命を落とすかもしれない」という狩りに立ち向かっていけません。
感情で「状況に立ち向かう」自分を作っているわけです。
しかし狩りが終わって、いつまでも「アドレナリン」を出しているわけにはいきません(笑)
これと同じでいつまでも「あの人やだな~~~~」と苦手意識を持ち続けているのは苦しい。
もちろん「苦手意識」を感じることで「危険人物」を回避しようとしている、ということですから。
感情としては「役に立っている」わけですけどね(笑)
「あいつはやばいやつだ!!」というサインをまずは「認める」。
あぁ自分はあの人が嫌いなんだなぁと。
それから「受け入れる」。
「嫌いになってもいい。」
「ムカついてもいい。」
しかしそれを傍から眺めるイメージですね。
決してそこから妄想を膨らまして、相手をコテンパンにする場面を頭に描くわけじゃなく(笑)
ただ「あぁ嫌だったんだな」と眺め続ける。
そうして他人に対しても「でも相手の人のこともわかるな」と。
「あの人はあの人のままでいいんだな」と。
相手をそっくりそのまま受け入れる。
難しいですけどね(笑)
本書で紹介されている瞑想は
- 基本的な瞑想のやり方
- 自己肯定
- 他者肯定
という風に段階が進んでいきます。
自己肯定・他者肯定に関する部分は、僕のつたない説明の、100倍は良い感じです(笑)
それから「基本的な瞑想のやり方」について。
この部分も本書ではかなり詳しくかかれていました。
座って行う瞑想。椅子に座るのか、地べたに座るのか。
足は組んだ方がいいの?組まない方がいいの?
なんと、寝転がって行う瞑想もあります。
- 目の開き方(完全に開ける、半分開ける、閉じる)
- 手の置き場所や形
など。
それぞれが「どういう意味があるのか?」や「どれが初心者向けか」などが書かれています。
「体と心がつながっている」ということでしょうか。
非常に細かい点まで「体の使い方」に関して説明されているのが印象的でした。
瞑想のここが知りたい!!が分かる。
また本書で「面白いな」と感じた部分として「瞑想の疑問に答えてくれている」という内容があります。
例えば
「瞑想に成功した人は、すべての感情がなくなってしまう。
その状態って、生きてて楽しいの??」ということ。
実はこれ、僕も疑問に思っていました(笑)
これに関して著者はきちんと説明しています。
非常に納得できる答えだったので、この疑問を抱えている人はぜひ。
他にもこのような「瞑想」や「悟り」に関する素朴な疑問に答えられています。
「確かに、これが知りたかった!」と思えるQ&Aだったので、非常に楽しめました。
全体を通しての感想
- マインドフルネスを学びたい人
- 日常で感情に振り回されている人
- 嫌いで仕方ない人が周りにいる人(笑)
こんな方におすすめしたい一冊でした。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。