TOEIC&プログラミング独学と書評

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【書評】大富豪からの手紙【幸せは成長しないこと?】(本田健・本・最新刊)

実際に読んでみたので書評と感想を。

 

 

大富豪からの手紙

本田 健 ダイヤモンド社 2018-03-08
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by ヨメレバ

 

読後感の良さ

 

まず感じたのは、「とにかく読後感がいい」ということ。

 

著者のあとがき含めすべての内容を読み終えたのち、とても満ち足りた気持ちになりました。

 

これまで読んだ自己啓発書では、やる気や向上意欲を刺激されるものが大半。

 

しかしこの本はその逆であるというか。

 

これは本書が「旅」をモチーフにしたストーリー形式であることも起因しているかもしれません。

 

では本書のあらすじをざっくりと説明します。

 

成功とは、幸せとは。

 

本書のストーリーを一文でまとめてみます。

 

主人公の若者が、大富豪の祖父から受け取った手紙を元に世界中を旅する。

 

こちらですね。非常にシンプル笑

 

主人公の祖父は大富豪なのですが、すでに他界されています。

 

遺産は慈善事業などに寄付したため残っていません。(残念ですね笑)

 

しかし主人公の祖父は遺産の代わりに、ある手紙を主人公に残しました。

 

そこに書かれていたのは、彼が生涯をかけて得た「人生をよりよく生きるための知恵」。

 

成功とは?

 

大富豪になるためには?

 

幸せとは?

 

満ち足りた人生を送るには?

 

手紙にはその教えが詰まっていました。

 

気になる内容

 

となると、一読者として気になるのは「どうやってお金持ちになるの?」ということですよね笑

 

タイトルも「大富豪からの手紙」ですし笑

 

ただ読み進めていくうちにそんな俗っぽい気持ち(笑)は薄まっていきます。

 

もちろん紹介されている方法が「お金持ちになる」方法と言えなくもないのですが。

 

どちらかというと「よりよく生きるための心構え」という感じ。

 

人生を信頼する

 

主軸となるのは「自分の人生を信頼する」ということでしょうか。

 

今起きていること、それからこれから起きること。

 

もっと信じて冒険していい。

 

起きていることには意味があり、そこにな学びがある。

 

一つ一つ、直感や偶然起こることを信じて進んでいけば、きちんと必要なところは導かれるというものです。

 

あるいは人との接し方、成功と失敗について。

 

小手先のテクニックというよりは「本来、人として大切なこと」という感じ。

 

自己啓発書の名著「7つの習慣」的に言うならば、「人格主義」というものですね。

 

本書のハイライト

 

以下は、個人的にこの本を読んだ中で気になった部分、引っかかった部分などについて。

 

失敗に金メダル、成功に戒め

 

この本は物語性が強く、非常に引き込まれます。

 

このあたりは感覚的なものなので、合う合わないはあるかもしれません。

 

主人公が様々な地域、国を巡る旅の中で、出会う人々。

 

著者は実際に国を回りながら原稿を書かれたということもあり、非常にリアリティーがありました。

 

「自分も旅をしている気持ちになる」というと少し大げさかもしれませんが。

 

そのくらい「入り込める」感覚があり、個人的には物語としても好みの作品でした。

 

そして、一箇所泣きそうになる場面が笑

 

「グッとくる」という感覚ですね。目に。目の奥のほうがね。こうグッと、こう。。。ね。はい。(笑)

 

僕の目頭がグッとなったのは、主人公が犯した失敗に対してその責任を持った立場の人が「金メダルを渡す」という場面。

 

主人公は失敗にひどく責任を感じています。しかし、その場の責任者は気にする様子、全くなし。

 

ただ、主人公が挑戦したことや、そこから学びがあったこと賞賛するのです。

 

これにはグッときました笑

 

これは読者の僕からすると「誰かに認められたい」という気持ちが刺激されたためかもしれません。

 

ただ、せっかくグッときたのだからこの教えは大事にしていきたいなと。

 

そのように思いました。

 

ブータンと幸せの本質

 

この本を読んで印象に残った点をもう一つ。

 

主人公が訪れた最後の国、ブータンでの出来事です。

 

ブータンと言えば、「世界一幸せな国」として一躍有名になりましたよね。

 

しかし実際に訪れた主人公は「街の人々の様子」からはそれらを感じません。

 

つまり「世界一幸せな国、というほどのことはないような。。」という感じ。

 

この部分は非常にリアリティーがあると感じました。

 

そしてそれに続く「幸せとは?」という話。

 

ブータンの幸せは「足るを知る」というもの。

 

これは「もっともっと」という気持ちがない、ということです。

 

対照的なのが「競争社会」ですね。

 

学歴、結婚相手、お金、モノ……

 

日本でも「シンプルな生き方」「モノから感じ方中心へ」という動きがあります。

 

しかし表面的には流行っているように見えても、まだまだ内情は追いついていないのではないでしょうか。

 

特に「SNS」の文化などを見ているとそのことを強く意識させられます。

 

FacebookやInstagramは特にその傾向が強い。

 

なぜならば、そこに挙げられた写真や出来事が「周りの人に見せるもの」だからです。

 

幸せそうな写真、誰もが羨むような体験。

 

比較が生まれやすい、人の写真を見て「自分ももっと、もっと」と刺激されやすい。

 

「シンプルな暮らし」「断捨離」といっても、それがSNSにあげられた時点で「みせもの」になっているわけです。

 

例えば「見てみて。こんなスッキリとした生活空間、羨ましいでしょ?」という風に。

 

形は「シンプル」「スッキリ」かもしれませんが、本質的には「自分の望むものだけを持つ」生活とは言い難い。

 

それが「誰かに見せるもの、自慢するもの」に成り下がっているからです。

 

比較、競争、成長。

 

これらは時代によっては、必要不可欠なものでした。

 

しかしここにきて限界が来ている。

 

経済的には優位にあるのに、何故だか満たされない、幸せと思えない。

 

そしてそこに「ブータン」という国が現れる。

 

経済的には下なのに、幸福度は上。

 

しかしここにも「比較」が生まれてしまっているわけです。

 

日本とブータンという比較。

 

幸福度なんてものを指標化している時点で、それらが比較の対象に成り下がっている。

 

競争と比較からは「成長意欲」が生まれるものの、同時に「飢餓感」が生まれている。

 

飢餓感=不幸感

 

幸せを数値化し比べた時点で、不幸が始まっているという矛盾笑

 

本書の最後の部分、ブータンの国で起こる「幸せとは?」という問い。

 

これに対して、本書ではきちんとした「解」が示されています。

 

しかし個人的にはまだぐるぐるぐるぐるしています。

 

しかし、悪い気持ちではないです笑

 

考えるタネが一つ増えて嬉しい、というか。

 

この点でも、この本を読んで良かったなぁと感じました。

 

具体論ではなく本質論

 

ではまとめです。

 

本書がどのような本か。

 

「よりよく生きるには?」のヒントが詰まった一冊。

 

主人公は大学生ですが、それぐらいの年齢の方が読まれるとより感情移入しやすいかと。

 

40・50代以上の人が読むとまた別の実感が得られそうです。

 

具体的に「こうしなさい」という内容も少なくありませんが、個人的には「心構え」として参考になる部分が強かったです。

 

生き方の指針として。どのように働くか、人と関わるか、自分らしく他者を受け入れるためには。

 

ストーリーも楽しく、最後まで没頭して読むことができました。

 

おすすめの一冊です。