どんぐり宣言!!

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【感想】うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた

実際に読んでみたので感想を。

 


うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた

 

この本に興味を持った理由

この本を手に取った理由ですが、まずシンプルに発想が面白いなと。

 

この本はうつ病を患った著者が実際に対策法としてやってきたことをマッピングしてみた、という発想から作られています。

 

マッピングは「マップ」(地図)という言葉から派生している通り、「地図製作」という意味。この本におけるマッピングは、うつに効くとされる行動を「効果の高さ」と「その行動の難易度」の2つの指標によって図にしたものです。

 

著者は元々ツイッターにこのマッピングを載せたそうですが、これが非常に多くの方の共感を呼び拡散。そこから実際に「私の場合のうつマッピング」を自作する人や、なんとそれをテーマにしたイベントがひらかれるほど広まったとか。

 

実際に読んでみて感じたこと

では続いて、実際に読んでみた感想を4つに分けて挙げてみます。

 

 

「うつマッピング本」感想1 人柄がよく分かる

一つ目の読後の感想ですが、「人柄がよく表れている文章だな」ということ。まるで友達が話しているのを聞いているような、非常に親近感のわく文体でした。

 

僕はこの著者と面識はなく、またこの本を読むまではブロガーとしての存在も失礼ながら存じ上げていませんでした。しかしこの本を読んでいく中で「なんとなくこういう人かな」というのがおぼろげながら浮かんできて、楽しみつつすらすらと読み進めることができました。

 

僕自身はもともと読書に抵抗がない、むしろ好きというタイプなのであまり関係はありませんが、普段本を読まない人や、あるいは現在うつの症状を持っており、なかなか何をやるにもやる気が起きないという人であっても、読みやすい一冊ではないかなと。そんなことを思わせる、やわらかい語り口と整った文が非常に印象に残りました。

 

「うつマッピング本」感想2 経験談ならではの説得力

この本の大きな特長の一つはやはり「経験談(経験者)ならではの説得力」にあると思います。

 

著者自身もうつや精神疾患に関するブログを書き始める際、「経験者の目線で書かれたまとまった情報源が少ない」という気づきをあげています。

 

確かに経験されている方が書かれているものは「過度に主観的」であったり、「情報が断片的」であったりと、なかなか情報を得る手段としては不向きです。

 

また「精神科医」など専門家の意見は強い説得力を持ちますが、客観的・理論的過ぎるせいか、どこか他人事のような情報となってしまう感は否めません。

 

経験者でありつつ、読み手のことを考えた内容となっている......これだけ多くの情報が溢れている現代でも、「自分にとって役に立つと思える(共感できる・参考にしたいと思える)」情報は案外少ないのかもしれません。

 

この本で書かれている「うつに関するあれやこれや」は完全に「著者が体験したこと」を元にした内容です。その点は完全に主観的。

 

しかし著者が「読まれる情報」を意識しているため、過度に感情的であったり(何かに対する強い批判、自分の気持ちのはけ口)、情報が散らかっているということはありません。

 

(もちろん本の形になっている時点で、体系立てられた情報であることは自然なことではありますが。)

 

一方でところどころに実験データや一般的なアンケートの結果なども挙げられていますが、基本的には「知識や理論の羅列」になっておらず、どこまでも「うつ病を経験した一個人」の視点から情報が吟味されています。

 

個人的にうつ病・精神的な不安定さなどに関心があり、その手の本も何冊か読みましたが、よくよく振り返ってみると大半の著者は「その分野の専門家」なんですよね。

(精神科医や、心理的な研究分野の学者など)

 

「素人ながら、素人ではない」という情報元の有用性を改めて感じさせられました。

 

「うつマッピング本」感想3 マッピングしたくなる

僕が特に言いたい感想はこれです(笑)

 

僕個人はうつ病・精神的な不安定さに興味はありつつも、自身がうつ病になった経験はありません。

 

しかし自分が経験したことや、自分が「こうしたいな」と思ったことに対して、行動し、その中で感じたことを「同じような境遇にある人」に対して分かりやすい情報として形にする、という発想に非常に魅力を感じました。

 

これぞ今の時代の「一般の人が気軽に情報を発信できる時代」での自分の活かし方だなと。

 

そういった点では、うつ病を現在患っている方やうつ病に関心のある方だけではなくて、ブロガーとか、フリーのライターさんとか、もっと言うとYoutuberとか、「何らかの『役立つ情報を発信する』立場にある人」にとっても、参考になる一冊ではないかなと思いました。

 

まとめ感想 やることは身近な方法ばかり

少しブロガーとしての視点が多くなってしまったので、最後はうつに関わられている方にも関わるような感想でしめたいと思います。

 

言及したいことは、この本で紹介されていることが「身近な方法ばかり」であるという点です。

 

例えば本書では「読書」「散歩」「寝る」と言ったような基本的なことも紹介されていますし、少し変わったところで言えば「ハーブティーを飲む」「暗すぎない体験談(を読む)」など。他には「漫画を読む」「YOUTUBEを見る」「ゲームをする」など、本当にごく身近なところにある内容ばかりです。

 

実際に読んでもらえるとわかりますが、やっていること自体は特別な治療法などではありません。個人的には抗うつ薬の話が実名で出てきた際に少し生々しさを感じましたが、それ以外の部分は「一般的な人のストレスの解消法」とさして変わらないものだとすら感じました。

 

そこから僕が思ったのはこの本の価値が「具体的なノウハウ(うつの治し方)」ではなく、どこまでも「著者の見える景色・感じたこと」にあるということ。

 

ただ単に「運動がいい」とか「趣味に没頭すればいい」とかそういうことではなく、それをやろうとした際、うつを抱えている著者が何を感じ、その気持ちにどう向き合ったか。

 

これを読むことで、一般的に「良い」とされていることにも実は多くの反作用が存在したり、「こんなの誰でもできるでしょ」という行動が実はかなり困難な方法であったりということがよく分かります。

 

また著者の人柄が感じられるような語り口は、現在同じような境遇にある人にとって、共感できる、心のよりどころになりうるものだと感じました。

 

 

 

 

以上で本書「うつを治す努力をしてきたので、効果と難易度でマッピングしてみた」の感想を終えたいと思います。

 

最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。