どんぐり宣言!!

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【読みました】45歳からは「眠り方」を変えなさい【内容・感想】

実際に読みましたので感想を。

 


45歳からは「眠り方」を変えなさい 闘うビジネスマンの脳と体を最高レベルにする方法

 

読了時間:約45分

 

 

では項目ごとに内容やその感想を書いていきます。

 

「45歳」というピンポイント指定

この本を手に取った時まず気になったのが「45歳」というピンポイントな年齢指定。僕自身はまだ20代なので、45歳には少し遠いかもしれません。しかし眠りに関する本は何かと気になる睡眠読書オタク。

 

kennkoudokusyo.hatenablog.com

 

というわけで構わず目を通していきました。

 

本書を読んでみると45歳というよりは40代という年齢の方にスポットが当たっていることがよく分かりました。

 

またこの本が45歳(40代)に向けた一冊である理由として、40代が「若いころよりも疲れが抜けなくなった(と感じる)」「体の老いを強く実感し始める」という年代であり、その解消法として「質の高い睡眠」に関心がもたれているのではないか、とも感じました。

 

睡眠不足かどうかは脈拍でチェック

実際に読み進めてみて感じたことの一つとして「脈拍の話がよく出るな」という気づきが挙げられます。

 

「質の良い睡眠をとる」ということを目的にした本では、「レム睡眠・ノンレム睡眠について」や「睡眠の前にするといいこと・いけないこと」などある程度共通した話題が見られます。

 

本書においてもそのような情報が見られますが、他の本と異なる内容として「睡眠の深さと脈拍(血圧)の関係を重視」していました。

 

これはどういうことかというと、著者はこれまで多くの睡眠に悩みを抱えた患者さんの診察の結果から「睡眠時間が短い人(あまりよく眠れていない人)は脈拍が速い」という共通項に気づいたそうです。

 

また「人間が一生に脈を打つ回数は決まっている」という通説がありますが、著者はその考えから「睡眠の質が低い人は脈を速く打つため、その分寿命を縮めているのでは」との見解も示しています。

 

個人的にこれまで十数冊の睡眠関連書籍に目を通してきましたが、この「脈拍・血圧から睡眠不足かどうかを確認する」といった視点はあまり取り上げられることのない内容だったので、興味深く読ませて頂きました。

 

おしっこについて

続いて面白いと感じた内容は「眠っている間にトイレに行く回数」の話題について。

 

この話題は実に40代をターゲットにした本らしいと感じました。年齢を重ねるごとに少しずつ気になってくる話だと思います。

 

もしかすると「夜間の尿意」に対して、たとえば「白髪が生えること」のように「年を取ったら仕方のないことだ」と考えられている人もおられるかもしれません。しかし著者は夜間に繰り返し尿意を催すことは「睡眠が浅い」ことの表れであり、必ずしも年齢のせいだけではないと力説しています。

 

また「年を取ると、睡眠時間が短くなる」という一般的なイメージに関しても、そうではないと根拠となるグラフも示していました。

 

夜にたびたびトイレに行きたくなるということに関してそのメカニズムと、では何を改善すれば良いのかというとこについてわりと詳しく書かれていたので、興味のある方は本書の28ページ~36ページあたりが非常に参考になるかと思います。

 

 

睡眠時無呼吸症候群は他人事ではない

この本には「睡眠時無呼吸症候群」についてもその危険性が詳しく書かれています。

 

睡眠時無呼吸症候群は文字通り、眠っている時に呼吸が止まる病気のこと。

 

この症状に関しては、「太っている人」や「いびきをかく人」などに特有のものだと感じている人は少なくないのではないでしょうか。

 

しかし著者は睡眠時無呼吸症候群に関して、「多くの自覚症状のない人がいる」ということを挙げ、読者に対し警鐘を鳴らしています。著者によれば、例えば「顎が細い」など顔の骨格の形などによっても、この症状につながる可能性があるとか。

 

睡眠時無呼吸症候群についてですが、誤解を恐れずに言えばこの本の主なテーマが

  1. 睡眠不足は多くの健康被害をもたらす
  2. 睡眠時無呼吸症候群は実は多くの人に関係があり、改善されるべきものである。

の2つに集約される、と感じるくらい詳しく書かれていました。

 

つまり著者は「睡眠不足(質の低さ)の原因として、睡眠時無呼吸症候群を軽視してはならない」という考えを強く持たれているということです。

 

【珍しい】「睡眠時間」の個人差を否定

この本の著者は「睡眠時間にはあまり個人差がない」という考えを持たれています。最近見た本では「睡眠時間は個人差があり、何時間寝れば良いという目安はあまりあてにならない」と主張する本が多かったので、個人的には珍しいなと感じました。

 

著者はこの「睡眠時間の個人差はあまりない」ということに関して以下のように述べています。

 

私は、今生きている私たちの体を、これまでの進化の歴史からひもとき、そして統計で捉えることを、他の医師よりも特に重視しています。

 

確かに顔など身体的特徴に差がある現代人ですが、ルーツをたどりこれまでの生物学的な歴史、遺伝子の進化の変遷から見ると、その差は大した違いではないと著者は主張します。

 

そのうえで著者は、「短い睡眠時間でも平気」という方に対して、「一時的に無理はできても、年齢を重ねると体にガタが出てきてしまう」ということを指摘し、十分な睡眠をとることを勧めています。

 

もともと著者自身が若いころは短い睡眠でも平気だと考えていたタイプだったそうで、その後短い睡眠が脈拍の高さに現れていること、それが自分の寿命を縮めていることなどに思い当たり短時間睡眠をよしとする考えを改めたとか。

 

このあたりは「短い睡眠時間の方が時間が有効に使える」と考えられている方にぜひ読んで頂きたい内容となっていました。

 

【全体を通しての感想】睡眠本の落とし穴

 

では、『45歳からは「眠り方」を変えなさい』の全体に対する感想に移りたいと思います。

 

まず最初に思ったのが、この本は著者自身が独自の考えを持たれており、それによってその他の睡眠本と大きく内容が異なる(場合によっては意見が対立する)部分が多くみられました。

 

僕個人としては同じジャンルの本ばかり読むと5冊を過ぎたあたりから「同じ内容(実験・統計結果など)ばかりだな」と感じることが増えてきました。だからこそこういった「今までとちょっと違う」内容の本は新鮮味が感じられるので、個人的には好きです。

 

ただし、複数の本を読み意見が対立してしまう場合、「どっちが正しいのだろうか?」という疑問を抱えることになります。僕はこれに関して「どちらが正しいかを判断することは素人である自分には難しいことと割り切っています。

 

その分野のことを何年も研究され、多くの患者さんの症状と向き合われた方でさえ意見が正反対になることがあるのですから、自分が持つちょっと本でかじった程度の知識で、正しい判断ができるとは到底思えません。

 

しかし現実にはどちらかを選ぶ必要があります。

 

例えば睡眠時間に関しては「短くてもOK」という考え方と、「ある程度の量は必要である」とする考え方では、毎日の過ごし方が変わってきますよね。

 

結論から言えば、僕は「(絶対的な正解はそもそも選べないので)自分が少しでもよいと思う方を試せばいい」という考え方です。本やテレビの専門家の方は、詳しい情報を提供してはくれますが、医学は日々進歩していますし、今日の常識が明日の非常識になることは別に珍しいことではないと思います。

 

受験勉強などの影響からか「正解が知りたい」と安易に考えるのは、どのような実用書であっても妄信につながるだけで、それはあまり自分のためにはならないのでしょうか。

 

睡眠に関する本ではありますが、今回はこれまで読んできた似たコンセプトの本と違う意見がいくつか見られたので、このようなことを考えました。

 

以上で読後の感想を終えたいと思います。読んでくださった方、ありがとうございました。